「ただいま…」


「遅いっ!」


家に帰ると、玄関には母さんの姿があった。


「夕飯覚めたじゃねえか。
どこで何してた?」


この怖そうな人が俺の母さん。


『逢沢 夏樹(あいさわ なつき)』

37才。

ズバリ、男よりも男らしい。

つか、空手黒帯だし。



すっげえ怖いから。



この俺でも逆らえねえ。


「…あぁ。
ちょっと寄り道してた。」


「嘘つけえ!
さっきから女の匂いがしてんだよ!
デートだろ?
放課後デートってやつだろ?」


女の匂いって…

まぁたしかに、宮前と一緒にいたけどさ。

つか、鼻良すぎだろ。

犬か!!