彼は飽きれた様子で、肩を竦めます。

「…だね」

今までもどんなリアクションをしても、みんな何も反応してくれませんでした。

意味の無いことだと分かっていても、わたしは…。

「はあ…。なあ、屋上に行かないか?」

「えっ? でも…」

「暗い気持ちで授業受けたって、つまらないだろう? 今日は天気も良いし、屋上へ行くぞ」

そう言って彼はわたしの手を掴み、強引に引っ張ります。

「えっ、ええっ?」

驚いて見せるも、彼が強引なのはいつものこと。

彼は教室にいることがイヤらしくて、いつも学校の中のどこかでサボっているんです。

わたしも時々付き合わされたりして…でもイヤな気分ではありません。

わたしもちょっと…居心地悪く思っていましたから。

ここへいるのは―。