「おや、美羽くん。どうしたんだい?」

穏やかな先生の声で、ボロボロと涙が零れます。

わたしは泣きながら、先生に教室での彼女達のことを話しました。

「…そうかい、もうそんなことになったのか」

「はい…。わたし、もうどうしたら良いのか分からなくて…」

「ふむ。まあ居場所がなくなったのなら、ワシの所へでも来ると良い。お茶くらいはごちそうしてやるから」

「はい、ありがとうございます」

先生は穏やかだけど、芯のしっかりした人で、生徒達の間では悩みを打ち明けられる先生として人気があったんです。

「…あれ? でも先生、確かちょっと具合が悪かったんじゃないですか?」

歳のせいか、少し休みがちになっていたことを思い出しました。

「…ああ、今はもうすっかり良くなったんだ」

「そうですか。それは良かったですね」