「美羽、大人しかったけど良い子だったし」

「でもやっぱり声が聞こえたら、怖いよ」

「そんなこと言わないでよ。友達だったんでしょう?」

友達『だった』…。

わたしは彼女達の中ではすでに、過去の存在となってしまったようです。

激しいショックを受けながら、わたしはその場から離れました。

彼女達から拒絶されていることは薄々気付いていました。

けれどまさか、ここまでなんて!

机を片付けられたら、わたしはどこへ行けばいいんでしょう?

…彼と彼女のように、諦めるしかないんでしょうか?

涙ぐみながら廊下を歩いていると、ふと向かいから初老の男性が近付いてきます。

「先生…」

その男性は歴史を教えてくれている先生でした。

けれどもう歳で、定年退職が近いのだと聞いています。