クリンとした瞳に、淡いピンク色の唇


やっぱり王子様の相手はお姫様じゃないと。



「あれ?そういえばまだ楢橋くんは来てないの?」


――ドキッ


「もうすぐ来るんじゃないかな?」


輝先輩と花梨先輩の会話なんて耳を通り抜けて、全く耳に入っていない



――コンコン


「どうぞ」



――ガラッ


っ……


「失礼します。遅くなってしまい、すみません」


「いいよ。気にしないで」



体が固まったように動かない


「じゃあ改めて、新生徒会役員の楢橋大和[ならはしやまと]くんと矢吹さくらさんだ。」



「どうも」


軽く頭を下げた相手に、あたしも何も言わずに頭を下げた


「じゃあ引き継ぎだけど……って、大体このファイルを見れば分かるんだけどね。」


そう言ってドンッと机の上に置かれた黒いファイル



こ、これを全部見るの……?


「大変だと思うけど、頑張ってね」


――きゅん


王子様スマイルにヤられる