「新垣先生、あの・・・これ・・・」
隣の席に座る英語教師が他の先生の目を盗んで、俺のひざにチョコを置いた。
高校生だけじゃなく、全ての女性にとって、今日は特別なんだ。
何となく気付いていた左隣からの視線が、俺の勘違いではないことがわかった。
俺の悩みがまた増える。
家に帰ると、寂しくて眠れなくなるなんて・・・きっと誰も知らないだろうけど。
この心の中のわけのわからない穴は、一生埋まることはないのかも知れない。
胸に抱いた小さな笑顔が、今も夢の中で俺を支え続ける。
おりひめとひこぼしのように・・・
1年に一度だけ会える俺の天使。