「直、お前最高だよぉ。俺、直が好き…」
『知ってるよ~!でも私も好き!』
いつもの俺のセリフを奪う直。
「あぁ!!俺のセリフ取るなよぉ!!直、俺のこと好き?」
『愛してるよ、先生』
俺は、予想外の直の言葉に、いつもの『知ってる』ってセリフが出てこない。
好きと愛してるは、やっぱり違う。
初めて聞いたわけじゃないけれど、
今日の『愛してる』は、俺の心にじ~んと響いて、また泣けた。
歳のせいか、俺は涙もろくなった。
『おぉ~い!先生??どうしたの?照れてるの?』
直は、くすくすと笑う。
「直のばかぁ…そういうことは会った時に言ってくれないとだめだろ?抱きしめたくなっちゃうだろ…」
俺は、暖まる部屋の中で、愛しい直の声だけを聞いていた。

