チョコ色の放課後



ものすごく

会いたかった。


会って、ありがとうが言いたかった。



信号の赤と月の黄色が俺の顔を照らす。



迷っている俺の心を知っているかのように、長い信号待ちだった。




俺は、右に曲がった。


直の努力を無駄にしちゃいけない。




直は、俺に会いたかったはずなんだ。


だけど、あと少しの卒業までの時間を、あいつは必死で…

頑張ってるんだ。



だから、靴箱にチョコを入れた。


俺が教官室に来いと言ったのに、廊下ですれ違っただけで直は満足だったんだ。