職員室の俺の席は、やっと廊下側ではなくなった。


ストーブに近い席に座り、俺は目立たないようにチョコを鞄に入れた。



んん??


『先生へ』って書かれた淡いピンク色のカードが目についた。


俺は一瞬にして、その字が直の字だと確信した。


そのカード付きの小さな箱を白いジャージのポケットに入れ、席を立つ。

向かったのは、トイレ。


こっそりメールをするのも、いつもトイレ。


すれ違う生徒は、俺がニヤけていることに気付いたかも知れない。

俺の頭の中は、愛しい直でいっぱいだった。