「失恋までするとは...」 「え?なに?」 「いや、なんでもない」 あたしのため息交じりの台詞は 少しだけ茉那に聞こえてたみたい。 「そういえば...。優科」 「んー?」 「ちょっとこっち来て」 そう言いながら あたしの腕を組んで、 掲示板前の人ごみから抜け出し 食堂と校舎をつなぐ、 今や誰もいない渡り廊下へ連れ出した。