「あたしの太股見ても、何とも思わないじゃない?」
「ああ、そういえば」
そこで初めて、与一の視線は藍のホルスターに移る。
「やん、やらしいわね」
ぽ、と頬を染めて、藍が、ぱっと裾を戻す。
が、与一の表情は変わらない。
「藍さん、そんなところにSAA取り付けて、取り出しにくくないんですか?」
先程までの会話とは、全然違うことを口にする。
「だって、固定しないと、それこそ動きにくいんだもの。あたしはよいっちゃんみたいに、おおっぴらに武器持てないし。か弱い女子(おなご)だからね」
くるりと回り、にこ、と微笑む。
この上なく可愛いが、与一は、ふ、と鼻を鳴らしただけで、さっさと玄関に向かった。
「もぉっ!! 自分で質問しておいて、無視するとは何事よ! そんな失礼な子に育てた覚えはないわよ~?」
叫びながら、藍が与一の背中に飛びつく。
比喩でなく、文字通り畳を蹴って飛びついてきたので、与一は慌てて柱に掴まった。
「あっ危ないじゃないですかっ! いい大人なんでしょう?」
「それはどうかしら。ていうか、よいっちゃん! 人の話は、最後までちゃんと聞きなさい!」
「ああ、そういえば」
そこで初めて、与一の視線は藍のホルスターに移る。
「やん、やらしいわね」
ぽ、と頬を染めて、藍が、ぱっと裾を戻す。
が、与一の表情は変わらない。
「藍さん、そんなところにSAA取り付けて、取り出しにくくないんですか?」
先程までの会話とは、全然違うことを口にする。
「だって、固定しないと、それこそ動きにくいんだもの。あたしはよいっちゃんみたいに、おおっぴらに武器持てないし。か弱い女子(おなご)だからね」
くるりと回り、にこ、と微笑む。
この上なく可愛いが、与一は、ふ、と鼻を鳴らしただけで、さっさと玄関に向かった。
「もぉっ!! 自分で質問しておいて、無視するとは何事よ! そんな失礼な子に育てた覚えはないわよ~?」
叫びながら、藍が与一の背中に飛びつく。
比喩でなく、文字通り畳を蹴って飛びついてきたので、与一は慌てて柱に掴まった。
「あっ危ないじゃないですかっ! いい大人なんでしょう?」
「それはどうかしら。ていうか、よいっちゃん! 人の話は、最後までちゃんと聞きなさい!」


