『……危ない!!』 私は全速力で走って、啓太に向かって今にも降り下ろされそうだった、男の腕を蹴った。 その衝撃で、男の持っていたビールビンが地面に叩きつけられ、音をたてて割れる。 いったぁ。 勢いよく蹴りあげたから、股が裂けそう。 ……なんてはしたない考えは置いといて。 『物騒なもん持ち出してんじゃないわよ』 男の胸ぐらを掴んで、鳩尾を殴った。