急に、私の視界は色を失った。 真っ暗どころじゃない。 本当に色がない。 そっか。 私が、翔や愛歌さんのことを思い出しても呼吸困難だけで済んだのは、みんながいたからなんだ。 みんなの存在が、私の頭の片隅に残っていたからなんだ。 でも、それさえもなくなってしまったら、私の世界は色を失う。 どんだけ弱いのよ……。 私の頭からは、呼吸困難になっていたことなどすっかり抜け落ちていた。