ヤクザに愛された女 壱



「…………」


許せない。


それだけがあたしを突き動かし、


あたしを止めない。


「…梨華!?」


龍二さん達の前を通り過ぎた時、


塊の中から龍二さんの声が聞こえた気がした。


それでも、


あたしの耳には、
届かなかった。