幸せの残量─世界と君を天秤に─



まったく…熱が高いのに無理して動くから……。


でもまさか。

巧さんが熱があるときに寝ていないなんて…。


「風邪だから、弱ってたんですか…?」


小声で尋ねれば、


「っはあ……」


返ってきた苦しそうな息に、ハッと我にかえった。


氷枕……!

熱、下げないとツラいよね。


ここにいるって言ったけど、でも巧さん。

あなたが辛いと、苦しくなっちゃうから…。


私は緩んだ腕をそっと外して、ベッドから出た。



「ちょっとだけ、待っててください」



そしたら、またあなたの腕の中へ戻りますからね。