ももいろ


あたしは黙々と【超豆腐ハンバーグ】を食べながら、ぼんやりとケーキに思いを馳せていた。

…あっ!

そういえば、マスターんとこで出してくれたケーキがあった!

シンプルなショートケーキに見えたけど、スポンジの間に細かく刻んだフルーツが贅沢に何種類もちりばめてあって、すごく丁寧に作ってあるかんじがした。

スポンジが格別においしくて、生クリームも甘すぎないし、しっとりふんわり幸せなかんじだったなぁ。

司くんにも食べて欲しいな。

あれ、試作とか言ってたけどどうなったんだろ?

次の休みに、聞きにいってみよう。

あたしはニコニコしながら食器を片付け始めたけど、肝心なことを忘れてた。

司くんのお誕生日の予定って、どうなってるんだろ…

谷川くんたちがお祝いするのかもしれないし

バイトだったり

用事あったり



…。



でも、なんとなく、お誕生日のご予定は?とか聞きづらいな。

なんていうのか…恥ずかしい。

うーん。

せめて、当日におめでとって言ってケーキは一緒に食べたいな。

よし。

仕事休みにして、1日中うちでスタンバっとこ。




この時、あたしは



司くんのお誕生日が

もしも、もっと先だったら

あたしの時間は止まったままだったかもしれない

でも

だからこそ

離れずにすんだかもしれない



なんて、思いもしなかった。


冷静に考えれば、現状維持なんてできるはずなかった。

あたしも、




…司くんも。