鳥居の下を歩く。ずっと続く赤い鳥居……先の長い道。
こんなところにいたら、別の世界に迷い込んでしまいそうな、錯覚を感じた。
皆無口で歩いている。
歩いて、歩いて、どこまでも続いてく道を歩き続けているような感じがして、少し怖い。

「なんか、怖いね」

「そう?私は綺麗だと思うけど……」

「あ、分かれ道だ」

「どっちを選べばいいのかな……?」

「どっちでも大丈夫だよー」

「右行こっ右!」

「じゃあそうしよっか」

そのとき、突然雨が降ってきた。
結構強い雨だ。

「きゃっ」

「雨?どこか雨宿りできるとこないかな」

「あれ……でも、晴れてるよ」

「天気雨?嘘、めずらしー」

「そんなことより雨宿りだよっ強くなってきた!」

皆で鳥居の下を走った。
うつむいて走っていると、社が見えた。
慌ててそこに駆けつける。

「……あれ?」

皆がいなかった。
一本道のはずだったのに。
皆だけじゃない。
誰もいない。

「う、うそ……」

ここは、どこ?