いつもの俺様な香の様子はどこにいったのか、 何だか別の人みたいに思えた。 そう言うと小さく「……ちっ」と吐き捨てる声がする。 『……香……?』 「……とりあえず、いろ」 言葉と同時に、スッと回されていた腕が離れた。 いきなり離された体に支えがなくなり、 私の体が前のめりになる。 「俺の部屋に行ってろ。眠かったら寝ててもいい」 ぐいと体を持ち上げられて立たせてもらいながら、私は黙って頷くしかなかった。 ……あんな香みたら、調子狂うじゃない……。