混じり合う香りに、私は顔をしかめる。 ……このモヤモヤは、なんだろう。 『……帰る』 落ち着かない。 ……なんで? 「なにバカなこと言ってんだよ。 ダメに決まってんだろ」 『……は?』 当たり前だろ、とでも言うような態度に呆気に取られた。 何を言ってるの、この人は。 『……酔ってるの?用事ないし、もう帰るってば』 「お前耳ついてんのか?ダメだと言ってんだろーが」 再度言っても、同じ答えしか返ってこない。 平然とタバコを吸う香を睨みつける。