「ニナ様?」

白亜の育った小屋とは大違いの、大きな屋敷。

その中の広い部屋に入って、長老は、うろたえた。

ニナがいないようだ。

「困った」

言って、白亜を見る。

「何だよ。あたしが不満で逃げ出したっていうのか?」

ニナ、が男であるため、白亜は強制的に『女』を任命された。

本当は、性別が決まってから、任命されるのだが。

今回はこうするしかなかったんだろう。