あきれるくらい側にいて

 
洗面台の鏡の前に立ち、目の前の自分の顔をじっと見つめてみる。


「ホントだ。あたし、すっごいブス……」


ちょっと泣きたくなった。

今日が休日で良かった。だってこんな顔、誰にも見せられないもん。

でも例えば、こんなあたしのことタダシが見たら、なんて言うかな?


いや。彼は気づかないのかも。

あたしがどんな顔をしてても、どんなことを思っていても、気づいてくれないかもしれない……。


「はぁー…」


ため息が出た。心の底から湧き起こるような。

実家にも電話しなくちゃ……。

結納が延期になったこと、お父さん達に話さないといけないから。