あきれるくらい側にいて


だって、いかにも気だるそうな顔で


「あっ そうそう。アタシね、午後から温泉に行くことにしたの。もちろん泊まりで。だから、それまで寝させてもらうから。起こさないでね?」


なんてお酒臭い息で言われて。

すっかり弱気モードになってたあたしは、打ち明けるタイミングを逃してしまったんだ。

モモちゃんが起きてから話そうかな……。

とも考えたけど、もとからタダシのことが気に入らない彼女に言うのは気が引けた。

だってタダシのことだけじゃなく、お義母さんのことまで愚痴ったら、この結婚自体を反対されそうだから。

それは、よくないって思った。