あきれるくらい側にいて


「んー…」


かすれた声が漏れてきて、ゴソゴソと動いた布団の山。


「……正史(タダシ)?」


っていうのは付き合って、もうじき2年になる恋人の名前。

これまで、この部屋に泊まったことのない彼だけど。そういえば昨日は一緒にいたんだったと、まだ痛む頭から薄い記憶を引き出した。

飲んだ帰りにウチまで送ってもらって、それで泊まったのかも。

だとすると裸で寝てたってことは、あたし達ってばそのまま……。


「///// (キャッ ♡)」


ま、まぁ~、たまにはそんなこともありかもね。

普段はクールで、そういうコトに関しては淡白な彼だけど。とはいえ男なんだし、あたし達って付き合ってるんだし。

それにそれに、婚約中なわけだしっ!

例え“シた”覚えがなくたって(実際ナイけど)この際、そんな細かいことはいいじゃないのっ。

なぁんて、いつになく大胆なことを言い切れる辺り、まだアルコールが抜け切れてないのかも。