あきれるくらい側にいて


「何やってんだろ」

っていうか、何をやってきたんだろ。


短大でて就職して。
大変なことも多いけど、仕事にやりがいも持てるようになった。

いくつかの恋もした。
年を重ねるごとに、結婚する友達も増えていった。

25を過ぎて、ふと将来のことを考えた。

仕事は楽しいけど、ずっと現状維持のままいたくない。

あまり遅くならないうちに子供だって生みたい。

家庭を持ったなら、将来的にはマイホームだって持ちたい。

現実を見つめれば、その時付き合っている恋人は、ずっと一緒に歩んでいける相手ではないと思えた。

理想を語り夢を見るだけでは満腹にはなれない、と自分に言い聞かせた。

タダシと出会い結婚が決まった自分を勝ち組のように思ってた。

一端の大人の女になったつもりでいた。

素直な気持ちを誤魔化していたことにさえ、気づかないでいた……というより気づけないあたしだった。