あきれるくらい側にいて


隙を見せたら、いきなり襲いかかってくるかも。油断はできない。

あたしは威嚇するように相手の目を見据えながら、さらに後退した。

二歩、三歩……。


「だから危ないって!」


言いながら相手も動いた、次の瞬間だった。

左足でベッドカバーの裾を踏み、そのまま滑ったあたしは、まず右足が宙に浮いた。

続いて、体ごと斜めに傾いたことに気づいた時はすでに遅く。


「あ゙ーーーっ!!」


後ろ向きのまま階段を真っ逆さま ――