あきれるくらい側にいて


何か言いたいのに、どんな話をしたらいいのかわからなくて、意味もなくまた泣きそうになる。

そしてハルの言葉が、あたしの心をもっと動けなくした。


「そんな相手がいるのに部屋に泊まったり、あんなことして……オレ、後悔してて」


あんなことって、あたしと寝たことを言ってるの?
それを、二人で過ごしたすべてを後悔してるって……。

……そっか。
この前の、あの謝罪もそういう意味だったんだね。


目の前で視線を下げたハルの困った顔、なんだかひどく似合わない。

無邪気で天真爛漫で真っ直ぐな、そんなハルと一緒にいる方が楽しいのに。

例え、ハードワークのせいで目の下にクマを作る日々でも、ハルと一緒に過ごす時間が楽しかった。

ふざけ合い笑って、たまに怒りつけたり。
一緒に一生懸命に突っ走って ――


そんな時間が空気が好き、だったのに。

でもそれは、ただの都合のいいあたしの我侭なのかも。