これには黒ガラスも、意外な顔をして見せた。
「この能力が見破られるとは……! やはりお前が鬼門だったか眠り猫。仕方ない、こうなったら」
ピィ~~!っと黒ガラスは指笛を吹くと、先程天高く上がったカラスが地上に降りて来た。
「家康様の魂!!」
その手には、奪われた家康の魂の球体が持たれていた。
黒ガラスはそれに手を突っ込むと、何かを探り始めた。
「玉の力を少し借りるとしよう。本番前に余りいじりたくはなかったが……よし、あったぞ」
球体をゴソゴソしてるので、眠り猫はそれに飛び付いた。
「何をしてる!! 返せニャ!!!」
すると、飛び込んで来た眠り猫に向かい、黒ガラスは息を吹きかけた。
「虎っ!!!!!!!」
虎のシャドウが、眠り猫とオッサンもろとも包む!
「この技は!!!」
それを受けた2人は、体が固まる。
まさにこれは、家康公の使っていた特殊能力『虎砲』である



