霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


どうやら狙いは礼子。





真っ先に墓を荒そうとした輩と、認識したのだ。










階級の低いオッサンが狙われたら、一発で殺されている。










それだけは良かった。










安心しつつも、後ろから担当者の目で相手の実力を計る。











「何だこの霊は!?」











通常……霊の上辺りに、5や10と言った階級の数字が現れるが、この霊は違う。









ШやΔと言ったワケの分からない文字がカシャカシャと変わって、測定できない。










だいたい頭に耳が生えてるって……

身長は120cm程度と、人のなりをしているが人間に猫耳があるワケがない。










動物霊にしては人間に近すぎる。









全くもって異質だ。











「礼子君!! ソイツは今までの霊と何かが違う!! 気をつけろ!」










「あいよ! じゃあ、これでどう!?」










金縛りをかけようとするが、それを察した眠り猫は礼子の手の延長線上から体をズラす。










スピードが早過ぎて捕まらない。









そんな……

ただの動物的勘で、全て避けている?