どうやら狙いは礼子。
真っ先に墓を荒そうとした輩と、認識したのだ。
階級の低いオッサンが狙われたら、一発で殺されている。
それだけは良かった。
安心しつつも、後ろから担当者の目で相手の実力を計る。
「何だこの霊は!?」
通常……霊の上辺りに、5や10と言った階級の数字が現れるが、この霊は違う。
ШやΔと言ったワケの分からない文字がカシャカシャと変わって、測定できない。
だいたい頭に耳が生えてるって……
身長は120cm程度と、人のなりをしているが人間に猫耳があるワケがない。
動物霊にしては人間に近すぎる。
全くもって異質だ。
「礼子君!! ソイツは今までの霊と何かが違う!! 気をつけろ!」
「あいよ! じゃあ、これでどう!?」
金縛りをかけようとするが、それを察した眠り猫は礼子の手の延長線上から体をズラす。
スピードが早過ぎて捕まらない。
そんな……
ただの動物的勘で、全て避けている?



