不思議だ……
中に入っても、全く見当たらない。
一体どうなっているのか?
「こういう時って大抵嫌なパターン……」
深く溜め息を付くオッサン。
戦力は礼子しかいない。
いつも以上にピッタリくっつくが、礼子は加齢臭を嫌がっていた。
「あ、オッサン。あそこに霊がいるよ?」
場所はもう家康公の墓に近い所。
タタタと礼子は加齢臭から逃げ出すように走り、先に行った。
「え~~霊? どんな?」
「何か丸くなって眠っている~。耳も生えてる。寝てるとこ邪魔しちゃ悪いから通らせてもらお」
寝てる……?
……ハッ!?
オッサンは走り寄り、大声を上げた。
「礼子君気を付けろ! 『ソイツ』は寝てなんかいない!!!」
「えっ……」
そう言い、立ち止まろうとした瞬間に鋭い刃が襲った。
スパッ!!
「キャアアアアアア!!」
礼子の悲鳴が響き渡る



