霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


不思議だ……








中に入っても、全く見当たらない。










一体どうなっているのか?










「こういう時って大抵嫌なパターン……」










深く溜め息を付くオッサン。


戦力は礼子しかいない。









いつも以上にピッタリくっつくが、礼子は加齢臭を嫌がっていた。










「あ、オッサン。あそこに霊がいるよ?」









場所はもう家康公の墓に近い所。



タタタと礼子は加齢臭から逃げ出すように走り、先に行った。









「え~~霊? どんな?」











「何か丸くなって眠っている~。耳も生えてる。寝てるとこ邪魔しちゃ悪いから通らせてもらお」










寝てる……?










……ハッ!?










オッサンは走り寄り、大声を上げた。











「礼子君気を付けろ! 『ソイツ』は寝てなんかいない!!!」










「えっ……」











そう言い、立ち止まろうとした瞬間に鋭い刃が襲った。











スパッ!!










「キャアアアアアア!!」










礼子の悲鳴が響き渡る