霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


彼女の好き勝手やらせるのも、躾にならない。










とにかく、先に先に進むのが先決だ。










「ほら……もう直ぐだから礼子君……それにほら、400年祭の旗や提灯が飾られてる。きっと祭りは近い。確認出来たら後は好きでいいから」










早くに任務を終え、それが済んだら自由を与える。










単細胞な礼子が、食いつきそうな条件だ。










「ホント? 何でも? うわーい終わったらあんみつ食べよ」










条件を受け入れ、先に進む事を選択した。









さすがにオッサン。

礼子に対し、誰よりも交渉上手になっている。











そのまま進むと、いよいよ近くなる日光東照宮。










平地より小高い場所にあるので、社の頭の部分が見えている。









ようやく着いたようだ。










「ん……あれ……?」












その塀の周り……

ズラリと警備をしているハズの霊達が、居ないではないか。











「ほえ~~意外に静かねえ?」









何だこの静けさ。

いくら夕暮れ時とは言え、準備をする人の姿しか見えない。











霊は……?