霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


オッサンは、意味不明な事を言っている。









「その徳川家康が眠ってるとこで警護? どーゆーこと?」











礼子が聞くと、オッサンはコホンと軽く咳き込んだ。










あ!

この咳き込みは……










オッサンの癖で、よく長く説明する前に軽く一呼吸する間合いだ。










さすが、いつも一緒に居ただけの事はある。



礼子はそれを読み取り、小石を耳に詰め込んだ。
(どーやって?)











「いいかい? まず徳川家康は歴史上の超有名人物。説明しなくても分かるよね? 彼が死にお墓を建てたのが日光東照宮。そこで100年ごとお祭りが人間界で開かれており、今年2015年には400年祭を迎えるんだ。それはそれは重要なお祭りで……~~~」











口パクしてるのが見える。


多分前半は、どうでもいい説明だろう。










10分後、だいたいの頃合いをつけて小石を取る。











「んで、結局何で警備すんの?」










「ああ、家康公の霊は100年に一度の祭に目覚めるらしいんだ。東照宮の中は彼の側近である武家達が守っているらしいが、身内でないウチらはあくまで東照宮の周りの警備。とにかく昔からの決まりらしいよ」











ホラ、うまく結果だけ聞けた。








以上、礼子のオッサン対話術でした