一歩二歩!
一歩二歩!
はい! 三歩進んで二歩下がる!
「礼子君。霊になって時間余ってるからって無駄な進みしない。早く行くよ」
「アハハ~いいじゃん、ゆっくり行こうよ~。あ。ほんでさ、ちょい聞きたいんだけど、日光東照宮って何?」
場所だけ知っている礼子。
それが何なのか、検討もつかない。
『宮』と最後に付いてるから、ステーキ宮の親戚か何かと思っている。
「呆れた……分かってないで行くつもりだったのかい? 日光東照宮は要はお寺だよ」
寺……
ってか霊が苦手な場所じゃん!
「ウチら浄化しちゃわない? 悪霊は一匹残らず駆除されちゃうでしょ? 霊は一匹いれば十匹居るって言うしなぁ~……」
「霊をゴキブリみたいに言わない。それに悪霊違うわ。確かに霊は通常の寺は近寄れないが、東照宮は別。寺と言うよりお墓だからね。戦国武将の徳川家康公が眠っているとこだよ」
徳川家康……
と言えば……
うーん、うーん……
「タヌキ……
タヌキ……
今夜はタヌキ鍋ね!」
「それ、霊務2でもやったネタだよ?」



