それでも、聞く耳は持ち合わせてないようだ。
いつ飛びかかって来てもおかしくないくらいに、手を伸ばしてオッサンに食らいつこうとしている。
「ゲホッ……こ、この娘から聞いたぞ……貴様に言われてイヤイヤやったと……」
(ヒィ! このアマ何嘘付いてるんだ!!)
慌てて否定しようとするが、きっと弁解しても礼子の事だ、裏で手を引いて聞いてくれないだろう。
だから一緒に来たくなかったと、オッサンは後悔の念を抱く。
目を合わせたくないが、眼力で呪い殺せそうなくらいもの凄い視線を感じていた。
もう、さっさと帰りたい!
礼子に弄ばれるオッサンは、ひたすら俯くしかなかった。
「許さねえ……貴様は何がしてえ」
何がしてぇってか、お家にかえらしてぇ。
オッサンはひたすら首を振って、否定をする。
礼子は、ず~~~~~っと笑っているだけだった……



