ギャーーーーー!!!
突然、廃病院から恐怖に歪んだ聞いた事ない叫びが聞こえた。
人と言うのは、これほどの声を出せるのだろうかと言う程の、気持ち悪い叫び声。
それに反応し、香奈はハッとオッサンを振り返り見る。
「あ……! あの、今のは……!?」
その焦り見せる香奈の反応に対し、オッサンは『ふぅ~』っと落ち着いた感じで息を吐いている。
まるで、予め叫びが聞こえてくるのが当たり前のような風貌。
全てが計算された、結果の産物だ。
「香奈君……まあ隣にでも座りたまえ。今聞いたのは、紛れもなく礼子君じゃない叫び声。彼女の側に居れば何度でも聞けるよ」
その言葉より香奈は推測した。
つまりは、今のは礼子が出させた敵の叫び声。
まさか……たった1人で何が出来る……?
パリィィン!!
そう思っていると、正面口のガラスが勢い良く割れた。
「お……意外に早く終わったな」
オッサンの一言で確認すると、病院から優雅に歩く礼子の姿を捉えた。
その手には……階級10の霊!?
社長レベルの霊が、顔がボコボコになって首根っこ掴まれたまま、にゃんこちゃんのようにズルズルと運ばれる



