それを話してあるが、特に礼子は気にしない。
「自爆霊? ホップコーンみたいに爆発するかな?」
「お前霊を馬鹿にしてるだろ? 自爆じゃなく、自!縛!霊!」
少なくとも二度以上説明しないと、礼子は理解してくれないので、オッサンは手を焼いている。
「うるさいわね~何だっていいわよ。じゃあそのポップコーンってのを、倒しに行ってくんね」
そう言うと、礼子はスタスタと行ってしまった。
香奈はそれを見て、慌ててオッサンを急かした。
「あのっ! いいんですか? 礼子さん1人で行っちゃいますよ!?」
「ああ……いいよ放っておけば」
その投げっぱなしぶりに、香奈は多少不安さえも覚えた。
「そんなっ! 今自分でも言ったばっかじゃない! 病院内は危険な霊がウヨウヨしてるって。私達みたいな低霊級は病院の庭などの担当なので中はよく分かりませんが、彼女1人は危険ですよ!?」
確かにそうだ。
うん、危険だね。
でも……
オッサンは門の淵に腰掛け、建物を見つめた。
「はあ~~。まあ、見てなってすぐに分かるから」
「分かってないのはそっちです! いくら階級10でも、敵も階級10ですし、悪い仲間がわんさかいるんですよ? 礼子さん死んじゃいます!」
分かってない。
分かってないのを分かってないのはそっちだ。
もうこれ以上言い返しても、イタチゴッコみたいになってしまう。
オッサンは、もう何も理由を言わずに腰を据える事にした



