「アハハハハハハ!!」
突然、笑い声が辺りに響く。
目の前にお腹を抱えて笑う女性の霊。
そう言えばさっきから居るのをスッカリ忘れていたが、2人の漫才のような会話がツボにハマっているようだ。
「~~~~。あ、すいません。あまりに息が合ってるので、おかしくって」
お……真面目だけど意外と取っ付きやすいかも。
そう思った礼子は、この子の協力をする事にした。
「よっし。仕方ない! 私自ら行きますかな! ほいで、君。名前は……?」
交渉成立したのが嬉しくて、女性は立ち上がりお辞儀をした。
「わあ! ありがとうございます! 私、香奈って言います。ヨロシクどうぞ」
その名前を聞くと、礼子はハッとして真剣に何かを考え始めた。
あまりに真面目な顔つきなので、オッサンはそっと声を掛ける。
「……ど、どうしたの礼子君?」
すると、何かブツブツ言っているのが聞こえてくる。
「香奈……香奈……。かなちゃん……カナッペ……カナカナ……」
どうやら、アダ名を考えてるだけのようだ。
無駄に心配した。
ポクポクポクチーン。
礼子の脳内で、アダ名が決定された。
「じゃあ、カナブンね!!」
「うおぇ! 気の毒な名前付けんな!」
オッサンは、とても素早い突っ込みをぶっ込んだ



