霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


「アハハハハハハ!!」









突然、笑い声が辺りに響く。










目の前にお腹を抱えて笑う女性の霊。



そう言えばさっきから居るのをスッカリ忘れていたが、2人の漫才のような会話がツボにハマっているようだ。











「~~~~。あ、すいません。あまりに息が合ってるので、おかしくって」











お……真面目だけど意外と取っ付きやすいかも。









そう思った礼子は、この子の協力をする事にした。










「よっし。仕方ない! 私自ら行きますかな! ほいで、君。名前は……?」











交渉成立したのが嬉しくて、女性は立ち上がりお辞儀をした。









「わあ! ありがとうございます! 私、香奈って言います。ヨロシクどうぞ」











その名前を聞くと、礼子はハッとして真剣に何かを考え始めた。








あまりに真面目な顔つきなので、オッサンはそっと声を掛ける。









「……ど、どうしたの礼子君?」










すると、何かブツブツ言っているのが聞こえてくる。









「香奈……香奈……。かなちゃん……カナッペ……カナカナ……」










どうやら、アダ名を考えてるだけのようだ。




無駄に心配した。










ポクポクポクチーン。











礼子の脳内で、アダ名が決定された。










「じゃあ、カナブンね!!」









「うおぇ! 気の毒な名前付けんな!」









オッサンは、とても素早い突っ込みをぶっ込んだ