その程度なら軽いイジメの範囲内と見なされ、放っておくのがベスト。
よくある話なので、霊社会としても問題視されていない。
前の07の時みたいなものは犯罪者として扱われるが、この程度なら……
それなのに、礼子は妙に関わらせようとしてくる。
嫌がらせか?
「ねんねん。オッサン階級いくつなの? ねえ、いくつなの?」
その事も嫌がらせの一種。
答えたくないので、オッサンは軽くたじろいだ。
「う……う゛~~。階級は5だよ」
すると礼子は大笑い。
「キャハハ!! アタシと初めて出会った時は階級4なのに、まだ5!?」
礼子と初めて会った後、里子に出会うまでの期間で1つだけ階級が上がっていたが、それから今現在までは階級が変わらず。
その不甲斐なさに、礼子は隙間なく突いてくる。
「やーねオッサンはいつまでも万年平社員。まあオッサンが脅かすより子供のオモチャのビックリ箱のが、まだビックリするよ」
ここまで言われれば、流石に言い返さないといけない。
「うるさいなあ。担当者は忙しいんだよ。新人教育の面倒見なきゃいけないから、自分の霊務が出来ないんだよ」
「あ、じゃあいい案があるよオッサン。人間に自分の給料明細見せなあ。そのあまりの低さに……」
「ビックリしねーよ」
即、切り返してツッコミを入れた



