それでも初めてのご依頼人の仕事。
いよいよ、捜査・尾行・潜入など礼子の想像に浮かぶ探偵業が出来ると思い、期待した。
「ふーん。で、どんなどんな悩み~?」
友人同士の感覚に似た、女子高生特有であるお喋りトークのノリだ。
すると、女性は長く話すつもりだろうか?
屈んで礼子と目線を合わせながら、ゆっくり話を始めた。
「実は私の担当地区付近で、暴れ回ってる霊が居て困ってるんですよ。さっきのアナタの力を見て思ったのです。この人ならきっと解決してくれると」
それって……
ただの鬼退治みたいな役目じゃぁん!!
単純な依頼に礼子はブーたれた。
「え~~そんなのみんなで解決しなよ~~まとめてボコれば怖くないでしょ?」
えげつない回答だが、その答えに女性は首を振る。
「それが……無理なんです。私の階級は3。周りも大体同じです。対抗しようにも、その霊は階級が10ですから……」
それを隣で聞いてたオッサンはビックリ。
まだそんな陰湿な事をするような霊が居るのかと思う事と、またそんな高レベルの争いに巻き込まれたくないからだ。
触らぬ霊に祟りナシ。
そーっと逃げようと考えたら、先を見越して捕まった。
「じゃあ、このオッサン貸すよ」
「ヤメテクダサイ!」
階級が低いオッサンは、悲痛の声を上げた



