霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


それでも初めてのご依頼人の仕事。








いよいよ、捜査・尾行・潜入など礼子の想像に浮かぶ探偵業が出来ると思い、期待した。











「ふーん。で、どんなどんな悩み~?」









友人同士の感覚に似た、女子高生特有であるお喋りトークのノリだ。









すると、女性は長く話すつもりだろうか?

屈んで礼子と目線を合わせながら、ゆっくり話を始めた。











「実は私の担当地区付近で、暴れ回ってる霊が居て困ってるんですよ。さっきのアナタの力を見て思ったのです。この人ならきっと解決してくれると」










それって……










ただの鬼退治みたいな役目じゃぁん!!











単純な依頼に礼子はブーたれた。










「え~~そんなのみんなで解決しなよ~~まとめてボコれば怖くないでしょ?」










えげつない回答だが、その答えに女性は首を振る。











「それが……無理なんです。私の階級は3。周りも大体同じです。対抗しようにも、その霊は階級が10ですから……」











それを隣で聞いてたオッサンはビックリ。








まだそんな陰湿な事をするような霊が居るのかと思う事と、またそんな高レベルの争いに巻き込まれたくないからだ。










触らぬ霊に祟りナシ。


そーっと逃げようと考えたら、先を見越して捕まった。











「じゃあ、このオッサン貸すよ」









「ヤメテクダサイ!」









階級が低いオッサンは、悲痛の声を上げた