それでも礼子は負けを認めていない。











「ぶぅ~~~負けてないもん。ちょっと体調が不良だったんだよ、きっと」











……











ああそうと一言呟いて、また昼間の混む道路を2人でボケッと眺めている。











今日も平和だ……











そんな平和な人間界を、礼子は脅かそうとした。











「えいっ」











遠くからトラックの運ちゃんに金縛りをかける。







……が、距離がある為かからない。











「おかしいなぁ~~昔ならかかったのに……」











いや、むしろかからなくていい。



運転中に動けなくなったら大惨事になる。



何を試してるんだこの子は。











そう思いながらも、オッサンは軽く笑った。











「ハハハ。君の力は昔より劣っているんだよ。いくら階級10にすぐなれても、霊力はもともと決まってるものだから、それが君の限度さ」












そう言って、チラッと礼子を見ると……