その当の本人である眠り猫も、呆気なく貫いた事で呆然としている。
簡単に貫いたからではない。
真正面から突っ込んだのに、どうして虎砲に消されず、少し外れた場所に尻餅を付いていたのか。
自分でも狙ってやっていない
黒ガラスはヨロヨロと胸を押さえながら消したハズの場所を見ると、黄色い何かが転がっているのを発見した。
あれは……
「バ、バナナ……?」
そう、バナナの皮である。
「ム……我が輩は、あれに足を取られたのか?」
同じく眠り猫も地面に落ちるバナナの皮を見て呟く。
確かに飛び込むときに、足元で滑るような感覚はしたが……
すると、遠くの礼子はケタケタ笑い始めた。
「ニャンコちゃんごめ~~~ん。アタシの捨てたチョコバナナの皮だわ。でもそんなんで本当にコケたの? ドリフみたい!」
礼子の……仕業……?
確かに、他にもゴミが散らばっている。
何という偶然か……
開いた口が塞がらないとは、この事だ



