霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


見ると、黒ガラスは全くの無傷。


正面に突っ込んだ眠り猫の姿はない。











「そんな……」










礼子はガクッと地面に膝を付けた。











この勝負の結果に黒ガラスも勝った事実に気付き、歓喜の声を上げる。










「フ、フフフ……フハハハハハ。徳川猫め! ついに滅んだわ!」











念願の徳川関係の抹殺。

その快感に気分は高揚し、己の力に酔いしれていた。











辺りの毛が全て落ちきると、虎砲を放った隣に何か物体が現れた。









……







それは、尻餅をついた眠り猫……



ええ!眠り猫!?











「え?」





「え?」












眠り猫も黒ガラスもワケの分からない声を出して、一瞬の間が空いた。










「あ、ニャンコちゃん。攻撃」










礼子がボソリと呟くと、ハッとした眠り猫はそこからいち早く飛び出し、虎砲をする間もない黒ガラスの体を貫いた。










ズバン!!










胸に空く大穴。





霊の致死量を越える大量の血が、ボタボタと地面に滴り落ちた。









「あ…………が……何故……?」










今更大口を開けて虎砲を出そうにしても、眠り猫はもう貫いて後ろ。



黒ガラスは、パクパクと口を開け閉めさせた……