「終わりだ!! 徳川のゴミクズめ!! コ!!!!!!」
発せられた衝撃で、毛がブワリと空を舞った。
眠り猫も己の毛で先は何も見えない。
寧ろ虎砲が来て身が滅んでも、死んだままで黒ガラスごと貫く意志で飛び出していたのだ。
しかし、虎砲はそんな生易しいものではない。
衝撃波や他の能力と違い、数ミリの厚さでも触れたもの全てを消し去る悪魔の能力。
貫く事は100%不可能な事を知らなかった。
いや、知ったとこでもやらなければいけない。
それが徳川の、敵を真正面から堂々と迎え撃つ誇りなのだから。
だからこそ行け!!!
眠り猫!!!!!
負けるな!!!!
「に゛ゃあああああああ!!!!」
ズル!
ズオン!!!
虎砲の無慈悲な消滅音が、辺りに響いた……
突進した言葉を最後に、眠り猫の声は途絶えてしまう。
ドックン……
ドックン……
どうなったのか……?
虎砲に消された部分の空間にある舞い散った毛が、ひらひらと地面に落ちきった……



