霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


「駄目だよ! 何してるのニャンコちゃん!」










「……お前達の金縛りが解除されたら、我が輩は飛び込む。もう一度ヤツが姿を消したら、もうこの足じゃ逃げ回る事も出来ない。最後のチャンスにゃのだ」










時が経つほど怪我が疼く。



時間はギリギリ、チャンスは一度。








これしかもう方法はないのである。











「駄目、駄目だよニャンコちゃん……そんな悲しい事言わないで。もう最後みたいな言い方しないで!」










それを聞くと嬉しかったのか、眠り猫はフッと笑った。











「ありがとう……またみんなでコタツってヤツに入りたいな……」










夜空にポワっと浮かび上がる映像……









眠り猫は今までの思い出を、東照宮の空いっぱいに思い浮かべた。










みんなでワイワイと笑い合い、ピザや寿司を食べて楽しかった出来事。










一回きりの事が、頭には強く残っている。










ずっ~~と……

誰にも構わず、何百年もの間、寂しくここで主のため尽くしてきた日々……










だけど、出会えた明るい仲間達。









少しでも触れた暖かみ。










誰かと過ごした夜。









誰かと語り合った夜。










眠る隣に誰かが居る夜。









たった一晩でも、眠り猫にとったら、それはかけがえのない思い出になるのだ