霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


だがお互い離れ過ぎているので、微かに動く事は可能であった。








「おい。礼子……」










「うぎぎぎ……なーにニャンコちゃん……おやつはいつもの戸棚よ」










礼子はいつもの調子だが、眠り猫は少し違った。









どこか寂しげな目をしている。










「門番歴400年……ずっと一匹で家康様を護って来たが、お前達に会えて楽しかったよ……」










「え……?」











グググ……










眠り猫はゆっくりと体制を沈め、頭と手を前に構え、背中を張りお尻を上げた。










猪突モードの構えをすると、黒ガラスはそれに対抗する。










「馬鹿め。真正面から飛び込むつもりか? 我が新虎砲で迎え撃ってやる」










敵も金縛りをかけられても、口を開けることくらいは出来る。









何とか開けきると、眠り猫撃退の為の構えをする。











このまま行けば、自殺しに飛び込むようなものだ。









馬鹿な礼子でも、そのくらいは分かった