千載一遇が巡ってきた、この一瞬。
「じゃあ、アタシがあんなヤツ吹っ飛ばしてやるわよ! 一旦下ろして」
眠り猫は言われるがまま離し、礼子は煙に向かって衝撃波を出した。
「こんなもの……コ!!!」
あんなに威力のある礼子の衝撃波だが、新・虎砲の前では綺麗に消されてしまう。
自信があった礼子は、地団駄をしている。
「キーーー馬鹿の一つ覚えみたいに、同じ技ばっか何度も使って~~!!」
眠り猫は怒る礼子をなだめるように、肩に手を置く。
「仕方ないニャ。ヤツは階級8って霊で衝撃波とかは使えないんだろ? 家康様の改良した虎砲しか攻撃の方法がないんだ」
その新・虎砲一つでここまでの強さなのだから、どんなに厄介な技か分かる。
全てを無に帰す、冷酷無比な能力。
黒ガラスの手に渡った時点で、アウトなのである



