霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


「君も風邪? いる?」









礼子は札を差し出すが、当然受け取るわけはない。








黒ガラスは腹が立ち、全て消し飛ばそうと試みる。










「わわ!」










急に眠り猫に引っ張られ、ティッシュ(札)を全て落としてしまった。










「バカ呆然としてるニャ! 消されるとこだったぞ」










再び俊足の世界に入るが、先程より景色がゆっくりに見える。








何故?









それは、眠り猫のダメージが深刻だからだ。








連戦に続く連戦。


いよいよ力を使い果たしたと言ったとこか?










足が使えなければ、これではもう黒ガラスに勝てる見込みも何もない。









もはや、絶望と言う道を進むのみか。










「ククク……体力も尽き掛けて来たか。いつまで走れるかな」









フッと黒ガラスは自分の姿を消すが、相手もまた様子がおかしかった。









そう……姿を消したハズの空間から、煙が出ているのだ。










「なっ! これは……」










透明になった自分の手を見るが、それ自体は綺麗に消えているものの、先程札に受けた傷から煙が生じたままだ。









これでは姿を消しても、まるで意味はない。










「チャンスニャ!! アイツの傷が塞がる前に、一気にたたみかける!」