霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


フ……










黒ガラスは姿を消し、背景と同化させた。











「ぬ! 証拠にもなくまた!」










「消えたよ! わあ、引田天功イリュージョン!」












これは前にも見た事あるが、一度眠り猫による動物的勘に破られている。











それを今更何故また……











ピクッ










眠り猫は嫌な予感がした。

これも動物的勘の一つであるが。











「こっちニャ!」










「え?」











眠り猫は呆ける礼子の手を引き、走り出した。










それに被せるように、どこからともなく声が響く。












「コ!!!!!!」












何もない空間から虎のシャドウが浮かんだが、何とかかわすことが出来た。












そうか、なる程と眠り猫は考える。











集中すれば黒ガラスのだいたいの位置は把握出来るが、そんな事をしていれば真・虎砲の恰好の餌食となる。











適当に辺りを攻撃するにしても、真正面に飛び込んだらそれこそアウト。











この姿が消える技を合わせたら、手の出しようがない