バチン!!!
理由も話さずいじけるサキに対し、礼子はいきなり平手打ちをかました。
「しっかりしなさいサキ! アンタ前の校舎の部下達が慕ってるように、上に立つ人間でしょ? 責任逃れで辞任する政治家みたいにしないで、理由をいいなさい!!」
こんな時に限って正論を……
……とオッサンは思っていた。
「うう……アタイは、騙されていたんだ。黒ガラス様……いや黒ガラスに徳川は人に災いをもたらすと言われ、それを守るために仕えていたんだ。その話は嘘。ヤツは自分の怨念を晴らす為に、東照宮と関わった人間全てを始末しに行ったよ……」
何だって!?
それが本当なら大変だ。
理由が理由だから、全てこれで納得いった。
宇賀神が殺されたワケ。
サキが裏切ったワケ。
こう言う事だったのか。
それを聞いた礼子は、更に怒りを見せた。
「それで落ち込んでたの? 私達を襲ったから? サキのバカ! そんな事で許さないと思った? 仲間だったアタシを忘れたの!?」
「アンタ……いや、忘れてないよ」
「そうでしょ? サキと仲間で踊った事、校舎で朝まで語った事、一万円貸した事も全部覚えてるでしょ!?」
オイ、最後の明らかおかしいから。
サキに限ってそれはないだろ。
どさくさに紛れてコイツ……
オッサンはそう思うと、サキは申し訳なさそうに涙を流す。
「うう……覚えてる、覚えてるよ」
認めちゃったよ!



