霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


バチン!!!









理由も話さずいじけるサキに対し、礼子はいきなり平手打ちをかました。









「しっかりしなさいサキ! アンタ前の校舎の部下達が慕ってるように、上に立つ人間でしょ? 責任逃れで辞任する政治家みたいにしないで、理由をいいなさい!!」









こんな時に限って正論を……








……とオッサンは思っていた。










「うう……アタイは、騙されていたんだ。黒ガラス様……いや黒ガラスに徳川は人に災いをもたらすと言われ、それを守るために仕えていたんだ。その話は嘘。ヤツは自分の怨念を晴らす為に、東照宮と関わった人間全てを始末しに行ったよ……」












何だって!?









それが本当なら大変だ。










理由が理由だから、全てこれで納得いった。










宇賀神が殺されたワケ。

サキが裏切ったワケ。











こう言う事だったのか。









それを聞いた礼子は、更に怒りを見せた。









「それで落ち込んでたの? 私達を襲ったから? サキのバカ! そんな事で許さないと思った? 仲間だったアタシを忘れたの!?」











「アンタ……いや、忘れてないよ」











「そうでしょ? サキと仲間で踊った事、校舎で朝まで語った事、一万円貸した事も全部覚えてるでしょ!?」









オイ、最後の明らかおかしいから。

サキに限ってそれはないだろ。










どさくさに紛れてコイツ……












オッサンはそう思うと、サキは申し訳なさそうに涙を流す。











「うう……覚えてる、覚えてるよ」











認めちゃったよ!