霊務・ザ・ファイナル(霊務4)


…………








暗い暗い、鬱蒼とした森の中……










黒ガラスは1人、日光市にある東照宮まで森の道を駆け抜ける。










すると、いつの間にかそれに同調するように、森の木々から黒ガラスのスピードに合わせて走る者の姿に気付いた。











それは……三鬼神のサキだ。










「黒ガラス様……」











すると、黒ガラスは走りを止めずに意気揚々と答えた。












「おお、青鬼か。二人はどうした?」












「……それが、赤鬼・黄鬼は眠り猫達一行にやられました」











「そうか……惜しい部下を無くしたな……」











そう言い、黙々と走り続けるが、サキはそんな事を報告する為に姿を見せたわけじゃない。











別の件で、聞きたい事があったのだ。











「黒ガラス様。さっきのアレはどう言う事ですか? 何故宇賀神を……人間を殺めたのですか?」











先程のやり取りの話は聞こえていないが、遠くで宇賀神に手をかける黒ガラスを見たサキ。











納得いく答えを聞きに、参上したのだ。











「……青鬼よ。お前は何故私に仕えている?」












「……それは徳川消滅の為の手伝いです。徳川に関わる物、その全ての破壊です」