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暗い暗い、鬱蒼とした森の中……
黒ガラスは1人、日光市にある東照宮まで森の道を駆け抜ける。
すると、いつの間にかそれに同調するように、森の木々から黒ガラスのスピードに合わせて走る者の姿に気付いた。
それは……三鬼神のサキだ。
「黒ガラス様……」
すると、黒ガラスは走りを止めずに意気揚々と答えた。
「おお、青鬼か。二人はどうした?」
「……それが、赤鬼・黄鬼は眠り猫達一行にやられました」
「そうか……惜しい部下を無くしたな……」
そう言い、黙々と走り続けるが、サキはそんな事を報告する為に姿を見せたわけじゃない。
別の件で、聞きたい事があったのだ。
「黒ガラス様。さっきのアレはどう言う事ですか? 何故宇賀神を……人間を殺めたのですか?」
先程のやり取りの話は聞こえていないが、遠くで宇賀神に手をかける黒ガラスを見たサキ。
納得いく答えを聞きに、参上したのだ。
「……青鬼よ。お前は何故私に仕えている?」
「……それは徳川消滅の為の手伝いです。徳川に関わる物、その全ての破壊です」



