「そうよ、霊をなめるからこうなるのよ! えーい額に『肉』って落書きしちゃえ」
「鼻に草花も詰めてみるニャ! ブハハハハ!」
2人は涙流したまま逝った人間の顔で遊んでいる。
「オイ! お前ら鬼か!! 敵と言えども人間! 手くらい合わせんか!」
可哀想にと、ポンポンと手を叩いて、ご冥福をお祈りした。
「さて、肝心の黒ガラスがいないニャ。一体どこに……」
「でもこの子、森に手を伸ばしているよ? 鼻にこんなの詰めて、ふざけたままプクク」
それはお前達がやったんだろ。
そう突っ込まずに、オッサンはしばらく考えた。
「コイツの手の伸ばす方に、黒ガラスが去ったと考えるのが一番自然だ。手掛かりがない以上、それしかない」
ここで、これ以上こうしても仕方ない。
ヤツを追い詰める為にも、すぐに出発しなければならない。
これ以上の人間の被害を、出さない為にも。
そう決めると、三人は再び森の中へと足を進めて行った



